ピアノにはなぜ ド がいくつもある?オクターブと音域がひと目でわかる
ピアノには ド・レ・ミ がいくつもあり、互いにオクターブ違いなだけ。オクターブ(音域)の分け方と、各オクターブが五線譜のどこに来るかを一気に整理します。
「ド(do)を弾いて」と言われると、ちょっと固まるかもしれません。ピアノには ド がいくつもあって、どれを弾けばいいの?
それらはどれも ド。ただ高い・低いの違いで、ちょうど整数個のオクターブずつ離れているだけです。ピアノでは白鍵 7 つ(1234567)ごとに新しい ド に戻ります —— この 1234567 のひとまとまりが、1 つの「オクターブ(音域)」です。
この繰り返す ド・レ・ミ を区別するため、オクターブごとに名前がついています:1点オクターブ、大オクターブ、小オクターブ… 一見ものものしいですが、規則はシンプルです —— 真ん中のいちばんよく使う段を原点に、上へ 2点・3点オクターブ…、下へ 小オクターブ・大オクターブ・下1点オクターブ… と呼びます。
まだ五線譜の音をすぐ読めない?先にこちら:5 分で五線譜が読める:6・1・3 の 3 音だけ覚えればすべて分かる。以下は 6・1・3 を見つけられる前提で進めます。
1点オクターブ:中央ハのあたり、いちばんよく使う
中央ハから始めて 7(B4)まで上に数えた、このひと続きが 1点オクターブです。
その 1(C4)は、ト音譜表の第 1 線(E4)の下、下加 1 線にちょうど乗ります。これが、おなじみの 「中央ハ(ミドル C)」 です。童謡やポップスの主旋律の多くがこのあたり —— いちばんよく使う、いちばん大切な音域です。
2点オクターブ:さらに 1 つ上、全体がト音譜表に
1点オクターブの 7 からもう 1 つ上が新しい 1 —— 2点オクターブに入ります。
全体がト音譜表の中に収まります:その 1(C5)はちょうどト音譜表の第 3 間、前回の「ト音の 6・1・3」の中の 1 です。バイオリンの明るい高音や、ソプラノの常用音域がこのあたりです。
3点オクターブ:上加線へ飛ぶ
さらに上へ行くと、もう五線譜では足りず、上加線を使います。
このひと組が 3点オクターブ。1(C6)は上加 2 線。響きはとても明るく澄んでいて、フルートの高音がよくこのあたりに来ます。
小オクターブ:中央ハの 1 つ下
中央ハから 1 オクターブ下へ数えたひと組を、小オクターブと呼びます(点の数字が付かない名前です)。
全体がヘ音譜表の中にあり、1(C3)はちょうどヘ音譜表の第 2 間。バリトンの声や、チェロの旋律がよくこのあたりに来ます。
大オクターブ:さらに下、少し沈む
小オクターブのさらに 1 つ下が大オクターブ(これも点の数字が付かず、ひと段だけ)。
1(C2)はヘ音譜表の下加 2 線まで下がります。全体は下加線から始まり、上はヘ音譜表の中ほどまで。バスの声、コントラバス、ファゴットの常用音域です。
下1点オクターブ:ピアノ左端のよく使う段
さらに 1 つ下が下1点オクターブ。厚く、こもった響きで、ピアノ左半分のよく使う範囲です。
1(C1)はヘ音譜表の下にずっと多くの加線がつく位置 —— ふだんここまで低くは書かず、譜面ではたいてい 8va bassa(1 オクターブ下げる記号)で加線を省きます。オルガンやチューバで使われます。
ピアノ両端の端切れ:下2点オクターブ / 4点・5点オクターブ
さらに両端へ行くと、ピアノの端にたどり着きます。
- 下2点オクターブ:ピアノの左端は A0・A#0・B0 の 3 鍵だけで、完全な 1234567 にはなりません。
- 4点・5点オクターブ:ピアノの右端。1 は 4点オクターブの C7、最高音は 5点オクターブの C8 です。
この 2 つの段はふだんほとんど使いません。見かけたら「いちばん低い / 高いあたり」と覚えれば十分です。
一言で覚える
オクターブは丸暗記する必要はありません:中央ハの段(1点オクターブ)を原点に、上へ 2点・3点オクターブ、下へ 小オクターブ・大オクターブ と数えるだけ。前回の 6・1・3 アンカーと組み合わせれば、どの音でもはっきり言えます —— その音が何の階名で、どのオクターブにあるかが、両方わかります。
👉 識譜のアンカー法をおさらい:5 分で五線譜が読める:6・1・3 の 3 音だけ覚えればすべて分かる